トップページ > 化成人 > File.2 竹内 啓貴

シワ改善、アンチエイジング一筋で、新規シワ理論を構築

今までの経歴と、現在の仕事は何ですか。
私は2003年の入社以来、シワ改善・アンチエイジングの研究に携わっています。
入社時には、化粧品と医薬品両方の素材を開発する皮膚薬剤研究所に所属していました。そこで医薬品開発の技術と化粧品開発の技術を学び、その後、主にシワ改善素材の研究を行いました。そして、研究部門の重点テーマの一つであるシワ研究の立ち上げに、リーダーとして参加しました。この時に提案した研究テーマが、現在の派遣研究のテーマとなっています。
現在は、1年半の予定でアメリカのボストン大学へ派遣留学中です。皮膚老化の権威であるThomas Ruenger教授の下、皮膚老化のメカニズムを、細胞レベル・皮膚レベルで明らかにする研究を行っています。
これまでの仕事の成果を教えてください。
・新規有効成分の開発(薬理・薬効メカニズムの解明)
新規有効成分開発の際に、有効性を分かりやすく客観的に伝えるため、世の中にまだ知られていない素材の作用メカニズムについて、ゼロから検討しました。そしてこの素材がどのように皮膚に働きかけ、効果を発揮しているのかを、世界で初めて明らかにしました。
・網羅的解析技術の導入、ポーラ化成工業オリジナル シワ改善因子探索システムの構築
医薬品開発技術と化粧品開発技術の良い面を融合し、ポーラ化成工業オリジナルの素材探索システムを構築しました。さらにその成果を活かし、新しいシワ改善のターゲットを発見、素材開発に貢献しました。
・シワ領域の立ち上げ、新テーマの立案、海外派遣研究の開始
2008年、シワ研究リーダーとして“お客さまにアンチエイジング効果を強く実感していただくため我々研究者がアプローチできることは何か”という原点に立ち戻り、従来とは全く異なる切り口から、シワ改善研究の計画を立てました。
達成した時の心境や、苦労したエピソードは。
現在派遣先で実施している新テーマを立案する際には、とても苦労しました。
まず、世の中にないことを明らかにするために、どのような仮説を立てるのか、仮説を証明するためにどのようなアプローチを用いるのか、またそれを達成するためにはどんなリソースが足りなくて、誰の助けがいるのか。すべて白紙の状態からテーマを創り上げることは、なかなか経験できることではありませんでした。
また、この新テーマを研究できる海外研究機関の調査から、契約締結すべてにおいても前例がほとんどなかったため、暗中模索でした。
しかし、言葉を変えれば敷かれたレールの上を進むのでなく、自分でレールを敷くことは大変な一方、そのプロセスがどれほど魅力的で、刺激的なものであったことか。高いハードルを乗り越えた時の充足感は、なにものにも代えがたいものでした。
仕事で大事にしていることまたはモットーは。
仕事(研究)をする際に大事にしていることやモットーは、執拗なまでの観察・記録、継続考察です。
ノーベル化学賞を受賞した田中耕一さん始め、多くの研究者が偉業を成し遂げる時よく耳にするのが「セレンディピティ」。実験の失敗から偶然得られた結果が実は大発見だったという内容ですが、私はそれも偶然ではなく必然であると思っています。つまりセレンディピティも実力の一つであると思うのです。そういった偶然を必然にするために必須なこと、それが執拗なまでの観察・記録であると思います。どのような小さな結果、現象もおざなりにせずていねいに扱い、結果としてきちんと記録しておくことが大事だと思っています。
また実験中はもちろん、常に研究のことを思考の片隅で考え続けること、「継続考察」を大切にしています。一朝一夕に成果が得られることはありません。常に考え続けていると、突然解決策や新しいアイデアが閃くと思います。
大変なところ、やりがいを教えてください。
研究は、すべてをゼロから考え、創り上げなくてはならないので、自分の進んでいる道が本当に正しいか常に不安になります。その不安を払拭するために試験を繰り返し、データを蓄積し、ディスカッションを繰り返して真実へ近づいていくのですが、簡単なことではありません。
一方で、不安を感じながらも一歩ずつ真実に近づいていく、その過程にやりがいを感じます。研究者の醍醐味として、世の中で誰も知らないことを世界で初めて明らかにするというのは、非常に魅力的でエキサイティングなことです。特にこの部署、領域はそういったことにチャレンジできる環境にあると思います。
自分自身で考え、仮説を立て、手段を検証し、実証し、考察する、そのすべての過程に自分が関与できること、また実験結果が仮説通りに実証されると、非常に励みになります。
しかもこうした実験によって得られるデータは、世界共通の言語です。自分が創り出したその「言語」を用いて世界中の研究者とディスカッションをするのは、非常に刺激的でやりがいを感じる瞬間です。
必要なスキルや技は何ですか。
なによりも一番は、好奇心が旺盛なことと実験が好きなことでしょう。
あとは、
・深く深く考えることのできる考察力と観察力・洞察力
・客観的に考えることのできる中立的な思考
・繰り返し根気よく試験を行うことのできる忍耐力
・さまざまな人と有意義なディスカッションをするための語学力、コミュニケーション能力
仕事で使う道具や愛用品はありますか。
iPadはデジタル化した論文を読むために、カメラはちょっとした撮影用に愛用しています。
目標、または夢はありますか。
シワを改善できる素材を開発することが今の目標。シンプルだけれども本質的に永遠の課題だと考えています。
私自身は、入社以来携わっているシワ改善・アンチエイジングのスペシャリストとして業界を牽引できるような研究者になりたいと思っています。そのためにも研究ができる今、できる限りの経験と知識を身につけようと考えています。
また、化粧品業界で研究を行っている者として、アンチエイジング皮膚研究を一つの大きな研究領域にすることができれば…と思っていますが、これは相当遠い未来の話でしょうか。

Next →
File.3 開発研究部
メークアップ開発室 坂崎 ゆかり

化成人ホーム

サイトポリシー  |  個人情報の取り扱いについて  |  サイトマップ