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ポーラ・オルビスグループの海外オーガニックブランドと共同で開発・研究

今までの経歴と、現在の仕事は何ですか。
大学時代は高分子界面化学を専攻していました。学んだ知識を活かしながら身近なモノを作る仕事がしたいと思い、化粧品会社を志望。2004年に入社後は、スキンケア品の処方(レシピ)を開発する部署に配属されました。そこでは処方開発に必要な界面化学、皮膚科学の知識を学びながら、ポーラの新ブランドの商品や、最高級ラインの乳液の開発などを担当しました。
その後、さらに化粧品開発の技術を高めるため工場での業務も経験しました。
その後、2012年にジュリーク社とのシナジープロジェクト発足に合わせて横浜研究所に戻り、ジュリーク社との新商品共同開発を開始。2013年には共同開発を円滑に完了させるためにジュリーク社へ派遣となりました。現在ではポーラ化成工業との共同開発も概ね完了し、ジュリーク社独自の新商品開発とポーラ化成工業との共同基礎研究のコーディネートが主な仕事となっています。
これまでの仕事の成果を教えてください。
・新商品開発…入社してから日本を離れるまで、約150品の新商品を開発してきました。その中でも、皮膚の柔軟化に注力した最高級ラインの乳液、肌の引き締めに注力したフォーム状マスクはヒット商品となり、お客さまに大変喜んでいただけました。
・ジュリーク社での新商品開発…オーストラリアに派遣後は、まず、ポーラ化成工業との共同開発品であるニュートリディファインコレクションを開発し、さらに、ナチュラルでありながら高いクレンジング力を実現した新クレンジングシリーズの開発を担当しました。ジュリーク社では使用できる原料が天然由来成分に限られているため、目標の品質を達成するにあたり苦労しましたが、これまでに日本で培ってきた処方化技術のおかげで無事に商品を開発することができました。英語でのコミュニケーションにはいまだに苦戦していますが、技術さえあれば海外でも戦えるということを実感しました。
達成した時の心境や、苦労したエピソードは。
思い出深いのは、処方開発に苦労した商品ばかりです。特に問題もなくうまくいった商品は、あまり記憶に残っていません(笑)。処方開発時は、幾度も問題が発生しますので、また来たか!今度はなんだ?と精神力が問われます。それに耐え抜いて最終段階までたどり着いた時にはいつも、「我ながらよくがんばった!」という思いと、「なんとか売れてくれ、売れるはずだ」という思いとが込み上げてきます。
最も思い出深いのは、ポーラの最高級ラインの乳液の開発です。当時まだ入社2年目だったこともあり、開発の知識もない中、手さぐりでの開発でした。いくら作っても安定化できず、使用感の良いものができず、最終的には300以上の試作品を経てようやく完成しました。化粧品作りとはこんなに大変なのかと感じたことをよく覚えています。ただ、この苦労のおかげで、化粧品がどのように成り立っていて、気を付けなければいけないポイントはどこ、といった開発の基礎を体で覚えることができました。これは今でも業務に役立っています。「若いうちの苦労は買ってでもしろ」と言いますが、まさにそれを身をもって体験した商品開発でした。
仕事で大事にしていることまたはモットーは。
・自信を持つ…仕事をしていると壁にぶつかることがよくあります。その時に、自分にはできないからやらないと諦めるのではなく、今は無理でも、努力を続ければ必ずできるはずだ、と信じることを心がけています。他人が自分のことを諦めることは時に避けられませんが、少なくとも自分は自分のことを信じてあげたいと思っています。
・謙虚である…自分は超一流になりたいと思っています。そのためには、周りにいる人のあらゆる良い点を吸収しなければなりません。余計なプライドや先入観は捨てて、素直な心で何事にも取り組むことが必要だと思います。
・約束を守る…仕事は信頼できる人に頼みたいと思いますし、自分もそういう風に思われたいものです。そのために大事なのは、約束を守り続けることではないかと思っています。事の大小に関係なく、約束したことはしっかり守る。守れなかった時は言い訳をしそうになりますが、できなかったことは自分の責任。言い訳せずに素直に謝るようにしています。
いずれも100%実践できているとはとても言えませんが、実践できるよう努力したいと思っています。
大変なところ、やりがいを教えてください。
お客さまを感動させる商品(商品ストーリー、使用感、効果)を作り上げることは、決して簡単ではありません。魅力的な商品ストーリーを考え、最適な有効成分を選定し、また使いたい!と思わせる使用感になるまで作り込む。且つ、その処方は安定性・安全性に優れ、世界各国の基準を満たしていなければなりません。ジュリークの場合、それを選択肢の少ない天然由来原料メインで達成しなければいけませんので、難易度は非常に高いです。常に新しい情報を求めてアンテナを張り、それを使いこなすための実験・勉強が必須です。しかもそれを限られた時間内で達成しなければならないため、常にプレッシャーとの戦いになります。ただ、自分が開発した商品が実際に工場で製造され、近くの百貨店に並び、それを使ったお客さまから喜びの声を聞けるのは、なにものにも代えがたい喜びです。自分が開発した商品は、子どものようなもの。その子どもたちが、日本だけでなく世界各地で売られていることはとても誇りに思います。
必要なスキルや技は何ですか。
(1)知的好奇心が旺盛である。「いろいろなことを知りたいと思い、執拗に情報を追い求める」
(2)根性がある。「うまくいかない時にも心折れず、しぶとく続けられる」
(3)前向き。「うまくいかない中にも良いことを見つけ、ストレスをためない」 人は、商品開発に向いていると思います。
また、実際の業務を進めていく上では、
(1)プロジェクト設計・管理能力(ゴール達成までのシナリオ5W1Hを描き、それに沿って進めていく力)
(2)レシピ設計力(界面化学の知識、化粧品原料に関する知識、問題を解決するための論理的思考力と分析力)
(3)言いたいことを伝えるコミュニケーション力(日本語・英語ともに) が必要になってきます。
仕事で使う道具や愛用品はありますか。
処方作りに使う自作の撹拌棒です。入社して初めて部署に配属され、最初の仕事がこの撹拌棒作りでした。それから今までの11年間片時も離れず、幾多のトラブルを一緒に乗り越えてきました。もちろんオーストラリアに来る時も一緒です。もはや体の一部であり、なくてはならないアイテムですね。
目標、または夢はありますか。
より多くのお客さまにポーラ・オルビスグループの商品を通じて幸せになっていただくこと。またお客さまだけでなく、社員もポーラ・オルビスグループで働くことによって幸せになることです。そのために今の自分にできることは、お客さまに喜んでもらえる使用感と高い効果を両立した商品を作ることだと思います。
ここ数年の目標としては、ジュリークの研究開発レベルを世界トップクラスに押し上げ、お客さまに今よりも満足していただくことを掲げており、それらに向けて日々業務に取り組んでいます。

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File.7 開発研究部
メークアップ開発室/ B.Aリサーチセンター 清野 綾子

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