トップページ > 化成人 > File.7 清野 綾子

職場でも家庭でも時間をかけてヒトを育てともに新たな価値を具現化

今までの経歴と、現在の仕事は何ですか。
2000年に入社し、2014年までずっとスキンケア製品の開発を担当してきました。具体的には、新しく世に出す商品価値を企画部門と一緒に考え、その価値を達成するための科学的なアプローチ方法を研究・開発し、処方として具現化してきました。この間、子供を2人出産したため、合計約2年、育休・産休を取得しています。
2015年からはメークアップ開発室の室長として働くとともに、B.Aリサーチセンターのセンター長も務めています。メークアップで、そしてグループ最高峰のエイジングケアブランドであるB.Aで、お客さまにどんな感動を提供していくのかを若いメンバーと日々議論し、具現化策を考えるのが主な仕事です。自分自身がリーダーとして明確なビジョンを持ち、チーム全体を導くとともに一人ひとりの部下が自ら考え価値を生み出す力を醸成する。一人ひとりの力が強くなれば、組織全体の力は相乗的に向上するはずです!
これまでの仕事の成果を教えてください。
・ローションが作る化粧膜技術の開発。入社2年目に担当した仕事で、保湿実感のある感触を構築するために試行錯誤して実験を重ねていた最中、たまたま疲れて片づけ忘れたビーカーの中にゲル状のものができているのを発見しました。これが、今に至るまでB.Aに搭載されている「ダーマルベール」(ポーラ化成工業による超高級ローションの保湿技術)誕生の瞬間です。
・化粧品基剤で角層細胞を変化させる技術の開発。基礎研究を地道に行い、学会発表も行いました。さらにこの成果を処方開発担当者として「B.A グランラグゼII」に搭載しました。
・さまざまな化粧品素材の開発。特殊な機能を有するさまざまな素材を原料メーカーと共同で開発し、商品に搭載しました。知財戦略やコストの交渉を自ら行う中で駆け引き上手にもなりました(笑)。
・その他 マネージャーとしてあらゆる商品の提供価値を考え、若手メンバーと一緒に具現化しています。
達成した時の心境や、苦労したエピソードは。
子供を2人抱え、育児のために早く退社しなければいけない中で実験を行うのは簡単ではありません。実験は会社でしかできないため、最高の商品を開発するという目的達成のために帰宅時間が遅くなることもあり、夫の理解と協力が必要でした。限られた時間だからこそ集中し、無駄を省いた実験を行ってきました。たった一人の実験室で「これだ!」という結果が得られた時の、雷に打たれたような衝撃を忘れることはできません。
マネージャーとなってからは、部下たちの成長が喜びです。「上司が言ったからやる」ではなく、「自ら考え、納得して行動を決める」人財となってもらうために、明確な指示は敢えて出さないようにしています。時間はかかりますが、以前は全く考えていなかったような課題意識が芽生えていることを感じた時は、その成長を本当に嬉しく思います。
これまで私も素晴らしい上司に恵まれてきました。今の私があるのは、一歩引いて見守り、成長させてくれた上司のおかげであると思っています。脈々と受け継がれてきた、"引いて見守る上司像"を大切にしていきたいです。
仕事で大事にしていることまたはモットーは。
「それは本当にお客さまに喜んでいただけるのか?」という考えを大切にしています。私たちは技術者なので、時に"技術者満足"に陥る道を選ぶ危険性があります。化粧品はお客さまを笑顔にする商材であるべきで、その原点を忘れた技術は自己満足にしかなりません。道が2つあって悩んだ時は、お客さまの笑顔が想像できる方を選ぶ。これが私の絶対に揺るがないモットーであり、人と衝突しても決してゆずることはできません。
大変なところ、やりがいを教えてください。
理論的には正しい、基礎実験では実現できていることを「商品」に落とし込むのは、実は簡単ではありません。商品には機能のほか、心地良く使えること、安定品質であること(分離したり濁ったりしないこと)、安全であることが求められます。全てを満たすためには実験を繰り返すしかありません。一つの商品を作り上げるために、試作を300回以上繰り返すこともあり、言い換えると開発担当者の涙と根性が注ぎ込まれています。 だからこそ、お客さまが「この商品、最高!」と褒めてくださった時は、我が子を褒められた時と同じ喜びがあります。この喜びのために仕事をしていると言っても過言ではありません。
必要なスキルや技は何ですか。
"全体像をつかむ力"です。一つの商品を開発するのにも、基礎的な研究テーマを遂行するのにも、「なぜ、何のために、それが必要なのか」をしっかり捉えないと、適切な方策を選択することができません。「木を見て森を見ず」となると、いつの間にか最終的な目的から離れたことを必死でやっていたりするものです。全体像をつかむためには社内外のさまざまな人とディスカッションし、情報の共有化を行う必要があり、コミュニケーション力も必要となります。
逆に研究を遂行するにあたり必要となる基礎的な科学知識は、必要に応じて勉強すれば身につきますので、必ずしも最初から必要というわけではないと思います。
仕事で使う道具や愛用品はありますか。
これが無ければ実験できない!というのは、入社時に自作した竹の撹拌棒と、乳化する時に必要となるお立ち台(真上からビーカーを見られるよう自分が乗る台)です。今は自分で実験していないので使っていませんが…。
自作撹拌棒は、割った竹をナイフで削り、やすりをかけ、自分の手にフィットするよう平たく調整したものです。乳化実験を行うには、温度管理も重要なのでゴムで温度計を付けています。私の製品開発の喜びも苦しみも共にした相棒であり、使わなくなった今でも誰にも譲りたくありません(笑)。
マネージャーとなった今では、部下の書類チェックに使う3色ペンと、自分の頭の中を整理する時に使うシャープペンシル、気分をリフレッシュするために常に身近に置いて、毎日1リットル以上飲んでいる炭酸水が3種の神器です。
目標、または夢はありますか。
「ポーラ化成工業が作る商品が、新しい時代を切り拓く」という会社にしたいです。
ポーラ化成工業は、グループ内企業の商品の研究・製造を担当している会社です。これに甘んじて、グループ内の仕事が来て初めて考えるという受け身の姿勢では、いつかアイデアが枯渇してしまいます。グループ内だからこそ知っている各社の現状とビジョンをベースに常に先手を打つ研究を続けてこそ、同じグループである意味が生きてくると思います。このブランドの5年後を見据えた時、今、どういう手を打たなければならないのかを考え、どんどんチャレンジしていきたいです。10個チャレンジして例え9個失敗したとしても、1個が大ヒットして、グループの成長へとつなげるとともに、「あれはポーラ化成工業しか作れない」とグループ外の会社からOEMの依頼を殺到させる…というのが私の野望です。
時代を先読みし、他社の一歩先を行く商品を、スキンケアでもメークでも提供し続ける会社にしていきたいと思います。

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File.8 袋井工場 製造課
後藤 史旭

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