トップページ > 化成人 > File.8 後藤 史旭

グループメンバーの力を結集し、ゼロベースで工程を見直し不良原因を発見・撲滅

今までの経歴と、現在の仕事は何ですか。
私は2008年に入社して以来、一貫して工場の製造課に所属しています。最初の3年半は基礎化粧品の仕掛品(化粧品の内容物)製造に携わり、2012年より現職の工程保証グループに所属しています。
工程保証グループの主な仕事は、仕掛品検査と工程管理・設計業務です。
・仕掛品検査…製造した仕掛品の物性・官能を評価し、充填工程での使用可否を判断する検査になります。測定機器では計測できない化粧品の外観・匂い・感触合否の最終判断は、自分の目・鼻・肌がたよりで、常にベストな体調管理と継続的な訓練が欠かせません。特に匂いは軽い風邪やちょっとした体調変化にも影響を受けやすいため、注意が必要です。
・工程管理・設計…高品質な化粧品の製造はとてもデリケートで、原料ロットや季節の温度変化等に応じて繊細なコントロールが要求されます。研究・開発部門で設計された品質を安定して作り続けられるように、日々の検査で仕掛品の出来具合を評価し、狙った品質の化粧品に仕上がるよう、工程の温度・圧力・撹拌力等を生産ごとに調整しています。またトラブルが起きた際の対応や、起きないようにするための予防策発案も工程管理の重要な役目です。 現在はだいたいデスクワークが5割、現場での対応が5割となります。
これまでの仕事の成果を教えてください。
発泡デコルテパックの発泡不良原因をつきとめました。エステ施術の際に、2液を混合して温かいフワフワの泡を作り、お客さまの首・デコルテ部分に使用するパック商品があります。この商品にはごく稀に発泡が良くない仕掛品ができてしまうという事象がありました。原因と思われる発泡剤の条件を中心に検証しましたが、真因をつかめず再発が続いていました。
そこで、工程保証グループ5名の力を結集し、発泡剤にこだわらず、ゼロベースで工程を見直す実験計画を策定し、網羅的なテストを実施しました。その結果、主因は発泡剤ではなく、今まで思いもしていなかった、冷却時に形成される結晶構造に由来することが分かりました。気温等により冷却状態にブレが生じ、結晶構造の出来が悪いと発泡した泡を保持できず、発泡が弱く見えてしまう場合があることを突き止められたのです。そこで確実に結晶構造ができるよう工程を変更し、発泡が良くない仕掛品を撲滅することに成功しました。
経験はともすれば先入観につながります。ゼロベースで考え直したことと、メンバーの力を結集しあきらめずに実験を続けたことで、長年の謎を解明することができました。
この知見は製造部門から研究部門へフィードバックされ、その後の新製品の開発と安定化に応用されています。
達成した時の心境や、苦労したエピソードは。
化粧品内容物の中にはとても繊細なものもあり、決められた手順を守っても、十分な予防策を講じても、うまく作れないことがあります。そんな時もお客さまをお待たせするわけにはいかないため、納品の期限までに必ず良品を作らなければなりません。そうした中で原因追究のテストがうまくいかず、期限がひたひたと迫ってくる時には追い込まれ、大変苦しい思いもします。しかし、デコルテパックの例でもそうでしたが、総力を結集し、多くの部署の方々の協力や助言を得ながらトラブルを解決する過程は、タフでとてもやりがいのあるものです。また原因を突き止めて解決法を発見した時には、大きな達成感と、共に数えきれないほどの実験を繰り返した仲間との強い一体感という、なにものにも代えがたいものを得ることができます。
仕事で大事にしていることまたはモットーは。
常に「お客さまが使用するシーンをイメージ」して業務に当たっています。
原料の用意から内容物の製造、容器への充填、包装と、化粧品を作り込む工程は多岐にわたります。こうした作業を管理・設計する際に、「品質と効率」など、相反する事象の選択を迫られる場面があります。こうした明確な答えのない判断をする時には必ずお客さまの手元にある商品を想像し、私たちが自信を持ってお客さまに使っていただくためにはどちらが良いか、という視点で判断をするようにしています。このようなお客さま視点は、工程保証に携わるようになってから特に強く意識するようになりました。現場のメンバーは直接お客さまと対面することができないからこそ、ありありとその場面を想像し、日々の業務や改善に臨んでいます。
大変なところ、やりがいを教えてください。
化粧品の製造は、料理のレシピに当たる製造指図書に沿って原料を混ぜ合わせ、仕掛品を仕上げていきます。このレシピには、化学的に化粧品を安定させる視点だけではなく、経験値に関わらず誰が作っても間違いなく作業できることや、効率良く作業できることがとても大切です。そのため作業者の3F(不安・不満・負担)が取り除かれるまで、現場からは何度でもクレームが上がってきます。その際は実際に現場に足を運び、作業者と話し合い、開発部門と折衝を繰り返し、開発側・製造側双方が納得できるレシピを模索するPDCAを繰り返します。こうした折衝業務は大変ですが、最終的なレシピが効率的で現場の作業者から評判も良く、ヒューマンエラーも起こらず、且つ品質の安定にもつながるものとなった時は、工程保証冥利に尽きます。
必要なスキルや技は何ですか。
・探究心…日々仕事をしていると、見逃してしまった些細なことが大きな成果やトラブルの、どちらにもつながることがあります。「ん!」と思った時、すぐに「なぜ?」の思考を働かせ、その真因を調べ切る、何事にも好奇心を持って深く探る姿勢が大切です。
・コミュニケーション力…化粧品の製造には多くの工程があり、たくさんの人が携わっています。そのすべてを通じて内容物の品質を保証するためには、工場内だけではなく、設計部門や営業部門等社内のあらゆる部署や関連会社さんとも連絡を取り合って、工程の仕組みや運用を改善することが求められます。必要ならばどこまでも踏み込み、部署や会社間の橋渡しをする関係構築力が求められます。
仕事で使う道具や愛用品はありますか。
・白黒板、ルーペ、LEDライト…製造現場でトラブルが発生すると数十人の仕事が止まってしまうため、迅速な判断が求められます。原因を素早く的確につかみ、確実な判断を下すため、内容物の品質判断に使用するこれらのツールは、手になじむものを持ち歩いています。
・手帳とWebスケジューラー…現場での工程立会いやトラブル対応等、工程保証業務は突発事象が多いです。そんな中で、定常業務や課題テーマ等を計画通り進めるため、手帳とWebスケジューラーを同期させ、いつでもどこでも予定や課題の進捗が確認できるようにしています。
目標、または夢はありますか。
私たちポーラ化成工業が価値を提供し戦うステージは、日本から世界へと広がりつつあります。世界の視点から見て、圧倒的に差別化されたQCD(Quality, Cost, Delivery)を達成し、世界中のどの化粧品工場にも負けないモノづくりを実現することが私の目標です。

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File.9 肌科学研究部 皮膚科学研究室
坂田 綾

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