トップページ > 化成人 > File.9 坂田 綾

新しいことにチャレンジし続け世界で初めて皮下組織とたるみの関連性を発見

今までの経歴と、現在の仕事は何ですか。
2007年に入社して以来、シミ、シワ、たるみといったエイジングのメカニズムについて研究をしています。その中でも、現在は特に加齢による肌悩みとして上位に挙げられる、たるみの研究に携わっています。たるみは皮膚の弾力性低下が原因の一つとされているものの、まだ解明できていない部分も多く、根本的な改善方法の発見には至っていないのが現状です。私は皮膚だけでなく、その下にある皮下組織も含めた肌全体の加齢変化を理解することでたるみが引き起こされるメカニズムが明らかになると考え、研究を進めています。
これまでの仕事の成果を教えてください。
入社3年目に、美白分野の新しい研究テーマの立ち上げを任されました。当時、「シミをできにくくする」ことが美白化粧品の主流であった中、より高い改善効果を狙って「できたシミを消す」という独自の研究に挑戦し、肌底でシミが居座るメカニズムを解明しました。この研究成果が高く評価され、2012年には国際的に権威ある専門学会で賞をいただきました。この成果はポーラの「ホワイトショット クリアセラムSX」という商品に活用されており、これまで多くのお客さまにその効果を実感していただいております。
現在はさらに研究のフィールドを広げて、皮膚だけでなくその下にある皮下組織を含めた肌全体のエイジングの研究に取り組んでいます。その中で、皮下組織に太い線維構造があることに着目し、その線維が年齢とともに減ってたるみが引き起こされることを世界で初めて発見しました。この研究成果は、2015年 第23回国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)中間大会で、口頭発表部門の最優秀賞を受賞しました。
達成した時の心境や、苦労したエピソードは。
現在の研究テーマは、皮下組織を含めた肌全体のエイジングのメカニズムを解明することです。皮下組織は未知なる領域であったため、皮膚を専門に研究していた私にとってはハードルが高かったのですが、それは同時に、新たな領域を開拓できるチャンスでもありました。研究の立ち上げ当時は、自分に足りない知識を埋めるために大量の文献を読みあさったり、専門の先生のところへ飛び込みで伺ってヒアリングをしたり、必死で情報を集めました。その中で、皮下脂肪が大部分を占めると思われていた皮下組織に網目のように張り巡らされている線維構造があることを知り、この構造がたるみに大きく関係しているのではないか、という仮説にたどり着いたのです。実際に幅広い年代の女性を対象に検証を行い仮説が正しいことが確かめられたときは、言葉で言い表せないほど興奮しました。
仕事で大事にしていることまたはモットーは。
もともと、人と違うことやこれまでと違うことに挑戦することにやりがいを感じるタイプということもありますが、既成概念に捉われず、新しい取り組みに挑戦し続けることがモットーです。現在の研究テーマについても、スキンケア=皮膚という常識を一度捨てて白紙の状態から研究テーマを立ち上げたことが、これまでの研究成果につながっていると思います。
その分乗り越えなければいけない壁も多く、時にはくじけそうになることもありますが、その度に周りの方に助けられました。自分の力だけでは決して成し遂げることはできなかったと思っています。
大変なところ、やりがいを教えてください。
私の取り組んでいる研究テーマは未知の部分が多いだけに、試行錯誤の連続で苦労も多いですが、その分、まだ誰も知らないことを自分の手で発見することができるやりがいのある仕事だと感じています。2015年に行われた世界中の化粧品技術者・研究者にとって最も権威があるといえる国際的な学会で最優秀賞をいただきましたが、まさにこれまでの苦労が報われた瞬間でした。たるみの根本原因にアプローチした製品や美容法をお客さまにお届けするために、これからも地道な努力を続けていきたいと思います。
必要なスキルや技は何ですか。
まだ誰も知らないことを明らかにしていく以上、失敗を恐れずにチャレンジする勇気と行動力が必要だと思います。
たるみの研究を立ち上げた際には、肌を傷つけることなく皮下組織の内部を画像化し、それを定量的に評価する技術を確立するところから始める必要がありました。共同研究先とともに何度も試行錯誤を重ね、MRIと呼ばれる検査技術を応用することで新たな評価技術を確立しましたが、その時に培われた経験や知識・技術は、確実に今の自分の糧になっています。
仕事で使う道具や愛用品はありますか。
初めて自分が主担当となって開発に携わった製品は、今でも大切にデスクに飾っています。その容器を見るたびに、お客さまに製品をお届けすることができた喜びと達成感が思い出されます。基礎研究は成果が出るまでに長い年月を要するため、さまざまな壁にぶつかり、悩みくじけそうになることもありますが、そんな時は当時を思い出し、自分を奮い立たせています。
目標、または夢はありますか。
シワやたるみに悩む方を世界中からなくし、一人でも多くの方に心豊かな毎日を過ごしていただくことです。 顔は美しさを構成する重要なパーツですが、肌に悩みがあることでイキイキと生きることができなくなることも少なくありません。化粧をすることで「今日も1日頑張るぞ!」と前向きな気持ちになることがあるように、化粧は内面をも変えるパワーを持っていると私は思います。化粧品を通して、外見的な美しさはもちろんその方の内面的な美しさをも引き出し、前向きに生活していけるようサポートしていくことが、私の使命だと思っています。そのために私は入社以来携わっているアンチエイジングのスペシャリストとして、業界を牽引できるような研究者になりたいと思っています。
「今までの延長線上」に甘んじることなく、常に新しい着眼点を持ってチャレンジし続けたいですね。

化成人ホーム

 
サイトポリシー  |  個人情報の取り扱いについて  |  サイトマップ