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研究

研究成果

学会発表

IFSCC世界大会での発表内容

IFSCC第24回大阪大会において7件の学術論文を発表

IFSCC(国際化粧品技術者会連盟)第24回大阪大会(2006年10月17日~19日)で、以下の7件の学術論文を発表しました。

今回は口頭発表4件、ポスター発表3件の合計7件を発表しました。口頭発表は厳しい審査を通過したものだけが発表することができます。発表論文は以下のとおりです(ポスター部門の3件はタイトルのみ)。

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1. 「タイトジャンクションの皮膚水分バリア機能とその化粧品への応用」Moisture barrier Function of Tight Junction in the Skin and Application in Cosmetics

表皮の角層は一般的に皮膚のバリア機能を担う主要な因子だと考えられています。
しかし、最近の研究結果により、表皮顆粒層も水分蒸散に対するバリアの役目を担っており、角層単体で皮膚の防御機能を担うわけではないことが明らかになってきました。
角層と異なり、顆粒層のもつバリアには不明な点が多く、特にメカニズムについてはほとんど分かっていません。
最近の研究結果より、我々は顆粒層で細胞同士を接着するタイトジャンクション(TJ)が、表皮での水分拡散や皮膚からの水分蒸散を調整する重要因子である可能性があると考えました。
本研究で培養皮膚モデルにおいて実験を行った結果、TJが角層と生細胞層間の水分拡散をコントロールしていることが示されました。
これはTJが皮膚からの水分蒸散に対する重要なバリアとして機能し、ヒト皮膚に水分を保持させていることを示唆しています。
さらに、培養皮膚モデルにおいて人工的に肌アレをおこすと、ダメージを受けたTJは一時的に壊れることも判明しました。
またTJの修復には植物エキス「オウレンエキス」が有効であることも判明しました。
この研究結果は、表皮TJ機能を活性化することで皮膚バリア機能や表皮の水分保持能力の向上を実現するといった新規スキンケア分野の可能性を示しています。

 

肌研究・計測チーム
倉沢 真澄 研究員

2. 「非侵襲法による生理的老化と光老化の皮膚内部ダメージの新評価」A Novel Non-Invasive Method for Assessing Interior Skin Damage Caused by Aging and Photoaging

肌老化の主な要因は「光老化」と「生理老化」です。
この2種類の老化を見分けるため「近赤外光」(肌表面から非侵襲で肌内部の状態が分かる、光の一種)を用いてポーラ化成工業独自の評価法開発に取り組みました。
近年、さまざまな効果効能を持つ、機能性の高いスキンケア化粧品が、多種多様あります。
そうした背景から、最適なスキンケア化粧品を選ぶために、肌状態を正確に把握することの重要性が増しています。
また、アンチエイジングへの関心も高まっています。
私たちの皮膚の老化は加齢による生理老化と紫外線による光老化が複雑に組み合わさって生じています。
この2つの老化を区別し、それぞれの進行度合いを簡単に、かつ正確に評価することができれば、肌状態をきちんと把握することができます。
しかしこれまでは、組織摘出法以外に2種類の老化要因を区別することができず、簡単で非侵襲の評価法が求められていました。
本研究では、生体の化学変化を捉えることができる近赤外スペクトル法により、肌をそのままの状態で光老化と生理老化原因の情報を非侵襲で捉える、全く新しい評価法を開発しました。
各年代の数多くの被験者を用いた測定から、皮膚内部における2つの老化要因を区別するためには、近赤外光の特定の波数領域を選択することが重要であることを発見しました。
そして、主成分分析という解析手法を用いて、光老化及び生理老化を区別することができました。光老化の評価では主にタンパク質の変性、生理老化の評価では主にタンパク質の量の変化が関わっていることも分かりました。
これまで「光老化」と「生理老化」を見分けることは困難とされていましたが、今回の研究により、2つの老化要因の区別が可能となり、今後の製品開発へ展開していきます。

 

品質開発チーム
川畑 真理絵 研究員

3. 「きれいな肌とは」Improved Description of Skin Smoothness by Applying Fractal Geometry and ISO Parameter

肌のなめらかさは肌の見た目の美しさに大きく寄与することが分かっています。
しかし、現在まで肌の表面形状に対する検討は、「数種のISOパラメータが年齢とともに増加する」といった程度で、十分に調べられているとはいいがたい状況でした。
本研究では、日本人女性248名の肌の起伏測定を実施し、ISOパラメータとフラクタルセオリーを導入し解析を行い、「肌のなめらかさ」の実態調査を行いました。
その結果、肌の表面構造にはフラクタル性(自己相似性)が存在し、見た目の「肌のなめらかさ」に関連することが示されました。
さらに、ISOパラメータを用いた検討により、肌の加齢変化「肌のしおれ」現象を見出しました。
この現象はフラクタルの測定値との相関性が低く非自己相似性の肌性状といえます。
また、見た目の肌の印象に対する多変量解析より「肌のなめらかさ」の印象は、
1.フラクタル性で表される自己相似性と2.「しおれ」現象により表される非自己相似性によって印象付けられることが判明し、これらより「なめらかさ印象指数(SSI)」を導きました。
この結果を用いて、スキンケア化粧品を3ヵ月連用した肌の解析を行ったところ、見た目の「肌のなめらかさ」の印象が改善された被験者においては、SSI値有意に改善していることが示されました。
これらの成果より、フラクタル性を回復させるようなスキンケア、メーク素材の適用、「しおれ」のようなマクロな非フラクタル性の構造を改善できるような有効素材を開発・適用することにより、見た目の肌のなめらかさを回復すると考えられます。

 

肌研究・計測チーム
水越 興治 研究員

4. 「ポリマー・酸化亜鉛複合体を使った新しい水系ジェルサンスクリーン剤」A Nobel Water-Based Sunscreen Gel using Polymer-Zinc Oxide Composite

サンスクリーンは夏に多用され、全身に塗られます。
そのため、紫外線防御効果だけでなく、みずみずしい感触、自然な塗布外観を両立した商品を好まれます。
この達成手段としてはサンスクリーンジェルが最適です。
一方紫外線防御の手段としては、その能力の高さから有機化合物が多用されてきました。
しかしこれらの化合物は、化合物自体が不安定なため、ときに肌に好ましくない影響を及ぼしたり、遮断効果が低下するという課題を有していました。
このような問題を解決するため、酸化チタン、酸化亜鉛などの無機微粒子によって、これらの課題を解決する試みがなされてきていますが、これらの無機微粒子の表面は活性が高く、ジェル構造を破壊したり、微粒子同士の会合により、充分な効果が発揮できないという問題を引き起こします。
表面処理により、これらの課題を解決しようとする試みがなされていますが、その効果はいまだ不充分であり、そのため無機微粒子が配合された水系サンスクリーンジェルは市場に存在しません。
本研究で開発した、高分子―無機化合物「ポリマー-酸化亜鉛複合体」は、高い紫外線防御効果、高い水分分散性を有します。
この複合体は、ポリマーによる酸化亜鉛粒子の被覆によって、酸化亜鉛の結晶成長が抑制され、粒子同士の会合が抑制され、粒子表面の活性点がマスキングされるので、従来不可能であった水系サンスクリーンジェルの調整を可能としました。
塗布時に自然な外観を与え、水系サンスクリーンジェル特有のみずみずしい感触を与えるという特長があります。

 

メークアップ開発チーム
高橋 栄治 研究員

5. 「過緊張は美容に悪い ~上背面の筋緊張緩和による顔のシワ改善~」(ポスター部門)Enhancing Facial Beauty : Diminishing Stress-Caused Forehead Wrinkles through Upper Back Massage

6. 「3次元的発想による化粧膜設計」(ポスター部門)Formation of Double Layered Film to Promote Dual Functions in Skin Care Products

7. 「表面自由エネルギーによるメークアップ製品の性能最適化」(ポスター部門)Optimizing Performance of Makeup Products by Controlling Surface Free Energy

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