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研究

研究成果

学会発表

IFSCC世界大会での発表内容

IFSCC第27回ヨハネスブルグ大会において3件の学術論文を発表

IFSCC(国際化粧品技術者会連盟)第27回ヨハネスブルグ(南アフリカ共和国)大会(2012年10月15日~18日)で、以下の3件の学術論文を発表しました。
今回は口頭発表1件、ポスター発表2件の合計3件を発表しました。発表論文は以下のとおりです。

本大会において、「Identification and mechanisms of adrenomedullin as a new melanocyte-activating factor」の研究がポスター発表部門において最優秀賞を受賞いたしました。

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1. 「オートファジー制御を介した皮膚生理老化の改善」(口頭部門)Improvement of Chronological Skin Aging through Autophagy Regulation

皮膚老化は、主に「光老化(紫外線による老化)」と「生理老化(加齢による老化)」が知られています 。しかし、既存の研究の多くは光老化に着目し、生理老化に着目してきませんでした 。そこで我々は、皮膚生理老化の原因を探るべく、既存の生理老化研究で着目されている細胞内分解システム「オートファジー」と皮膚生理老化に関する研究を実施しました 。
その結果、若齢者と比較し、高齢者の非露光部の皮膚ではオートファジーの停滞が確認され、さらに、その停滞は、オートファジーシステムの後半部分の変化が原因であることが明らとなりました 。次に、若齢細胞のオートファジーシステムを試薬により停滞させたところ、皮膚生理老化と同様の変化(コラーゲン線維の切断、コラーゲン量等の減少、コラーゲン分解酵素MMP-1の増加)が確認されました 。これらのことから、「オートファジーの変化が生理老化を引き起こす要因である」という新知見を得ることができました。さらに我々は、生理老化状態(高齢細胞およびオートファジーの停滞)が、光老化を助長することを示唆する興味深いデータを得ています 。
本研究成果を活用することで、皮膚の老化に対し、生理老化、光老化の両面から総合的にアプローチする新たなアンチエイジングケアを提案できるものと考えています 。

 

肌科学研究部
田代 佳奈江 研究員

2. 「新規メラノサイト活性化成分アドレノメジュリンの同定とそのメカニズム」 (ポスター部門)Identification and Mechanisms of Adrenomedullin as a Novel Melanocyte-Activating Factor

シミはメラニンの異常な蓄積によって生じ、美容上問題となる場合があります 。そのためメラニンの蓄積メカニズムを知り、コントロールすることは化粧品研究における重要なテーマのひとつです 。今までこの分野においては、メラニン産生に関する研究が多くなされ、見出された知見は化粧品開発に活かされてきましたが、その効果はまだ十分でありません 。このことはメラニン蓄積のメカニズムには、未だ明らかになっていない重要な因子が存在することを示唆しています 。
今回我々はメラニン蓄積のメカニズム解明を行うにあたりメラニン産生ではなく、デンドライトとよばれるメラノサイトの構造に着目しました 。デンドライトは、メラニンの受け渡しに重要な部位であるため、デンドライトの状態(デンドライト数)がメラニンの蓄積に重要なファクターであると考えたからです 。そこで、我々はデンドライト数を増加させる因子の発見を目的とした研究を行いました 。
ヒト正常メラノサイトとヒト正常ケラチノサイトを用いて、デンドライト数が増加する共培養系モデルを作成しました。共培養モデルでの遺伝子発現変動についてマイクロアレイ解析を実施し、デンドライト数を増加させる候補因子を絞り込みました 。その後、候補因子のペプチドを用いた添加試験を行い、目的とする因子の同定を行いました 。また見出された因子については、インフォームドコンセント取得済みのヒト皮膚を使用し、免疫染色を実施しました。
Adrenomedullin (ADM)が、デンドライト数を顕著に増加させる作用を有するとともに、メラニン産生亢進作用も有することを見出しました。さらにヒトシミ部位、および紫外線色素沈着部位で大量のADMが存在していることも見出しました。これらの結果は、ADMがシミや紫外線色素沈着などのメラニン蓄積において重要な役割を果たしている事を示唆するものです 。

 

肌科学研究部
本川 智紀 研究員

3. 「老け顔の客観評価:空間周波数解析による統合的アプローチ」(ポスター部門)Objective Evaluation of Our Aging Faces: An Integrated Approach through Spatial Frequency Analysis

同じ年齢でも、若く見える顔の人、老けて見える顔の人がいます 。我々は、顔の形態・シワ・ハリなど様々な情報を使ってその判断をしていると考えられます 。一方、現在の機器測定では、シワの状態・弾力性などを部分的に評価することは可能です が、それらの情報を得るには専用の設備を必要とし、全顔の情報を得るには大変な労力を要します 。そこで我々は、顔の情報を、簡便かつ統合的に評価する方法を開発することとしました 。本手法の開発には、画像を周波数情報に変換し解析する「空間周波数解析(SFA)」を活用しました 。
一定の条件下で撮影した女性の全顔画像をSFAし、各空間周波数と年齢との相関性を解析した結果、年齢と相関する5つの周波数帯が見出されました。各周波数帯は、明るさやシワの状態などの肌状態を示すと推定されるとともに、それぞれの帯域において、同年代の平均値に対して、若い、もしくは老けているという情報を算出することができました。
本手法を用いることで、全顔の情報を簡便に得られ、化粧品の有効性評価をより簡便かつ統合的にするだけでなく、顔のどの部分のケアを行い、どのようなメークを施すことで、より若い印象の顔となるか、というお客さまへのご提案にもつなげられるものと考えています 。

 

肌科学研究部
多田 明弘 研究員

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